おうみこっとん夢つむぎ

 おうみこっとん夢つむぎの活動内容

1.「いなか体験 さわ」のきっかけ

2.「わた」の取り組み

3.おうみ未来塾入塾

4.「おうみこっとん夢つむぎ」グループ結成

自然体験をメインとした農家民宿(みずほの郷)を計画して、数年動いていました。

ここに来ないと出来ない体験を持たないと魅力がないと思い、綿の栽培を始めました。

花になりコットンボールに変わっていくと、近所の目も変わっていき、経験者である年配の方のお話も聞けるようになりました。

近江は繊維の町であり、昔は琵琶湖岸のあちこちで綿栽培され、加工されていたそうです。

それじゃあ「糸にして布にしよう!」と道具の復元をしてくれる人も現れました。

「子供に見せたい!」と、一人一鉢栽培に取り組んで下さる小学校の先生。

滋賀県立大学の力添え。

琵琶湖博物館の`むかしくらし倶楽部´の指導もありました。

そんな時、情報誌に取り上げられた記事を見て、障がい者支援員の方が訪ねて来られました。

私が今まで、見ようともしなかった現実を知り、栽培から加工のどこかで役に立てるのではないかと思いました。

2008年に、地域プロデューサーを育てる事を目的とした、「おうみ未来塾」に入塾し、

2年目のグループ活動に移る時、この場で話をすればもっと大きな力が動いていくと感じ、手を挙げました。

『おうみこっとん夢つむぎ』の活動内容

◆活動テーマ

                『「綿づくり」を通して「人の輪」を広げよう』

◆活動中心地

                 滋賀県彦根市本庄町

◆スケジュール

                  <綿の栽培>種まき:5月頃  収穫:9月頃~11月頃  乾燥:12月頃

       <商品化> 商品試作・綿くり・綿打ち・糸紡ぎ・機織り:4月頃~7月頃、12月頃~3月頃

『おうみこっとん夢つむぎ』のビジョンと活動コンセプト

「手」づくり  むやみな機械化や「量」の拡大は追及しない。

「場」づくり  仕事の場、気づきの場を提供する。

「人」づくり  グループ活動が終わっても継続できる事業を目指す。その為の人材を育成する。

『おうみこっとん夢つむぎ』の課題・背景

1. 休耕農地の増加

  滋賀県彦根市本庄町では、住民の高齢化とともに休耕地が増加している。

2. 伝統技術・技能の散逸

  綿から糸を紡ぎ、糸を織って布にする、かつては家内手作業として存在した伝統技術・技能が大量生産・大量消費の時代の波の前に散逸してしまった。

3. 農産物に対する消費者の安全志向

  食料品のみならず、衣料品に対してもその生産・製造過程で農薬や化学薬品を使わない「安全性」のニーズが高まってきた。

4. 福祉施設作業所の「仕事」

  障がいをもつ人たちが安定的に収入を得る仕事がない。

5. 「みずほの郷」の田舎体験活動の進展

  綿づくりと機織り機復元を進めてきたが、実現の目処が立ってきた。

『おうみこっとん夢つむぎ』の年間事業計画

<綿の栽培>畑作業・草取り・支柱立て・綿つみ・次年度準備:年中

<イベント開催>種まきイベント:5月頃 綿つみイベント1回目・2回目:10月頃~11月頃 体験イベント:2月頃

<外部イベント出店>イベント等出店:年中

<綿の加工>綿くり・綿打ち・糸紡ぎ・機織り:冬季

<商品・キット等販売>商品・キット等販売:年中

<キャリア教育>学生への講義・インターンシップの受け入れ:年中

<環境教育・ものづくり教育>環境教育・ものづくり教育(小中学校・子供センター・荒神山自然の家・公民館事業等を受け入れ・出前講座):年中

『おうみこっとん夢つむぎ』の活動概要

◆環境教育(啓発)・環境保全の推進◆

◎主催イベント・出展イベント・体験学習での環境教育・啓発

 主催イベント:種まき(5月頃)・綿つみ(10月頃・11月頃)・綿くり(2月頃)

 出展イベント:イナズマロックフェス・ひこねば・蒲生野まつり 他

 体験学習:小中学校・彦根市子どもセンター・荒神山自然の家 他

〇綿の栽培によるCO2の削減・酸素の供給

〇無農薬(無除草剤)栽培の重要性

 (綿花は世界の80か国以上で農地の2.5%で栽培されているが、殺虫剤使用料は全使用量の約16%、化学肥料・除草剤の使用量は全世界の約10%を占め、

  農薬や化学肥料の生産段階でも沢山のCO2を排出している)

〇津波による塩害被害農地の復元に活用を紹介

 東北コットンプロジェクトの紹介・連携

 (津波の影響で稲作が出来なくなった宮城県の農家に対して、紡績やアパレルなどの企業が綿の栽培を働きかけ、畑で綿を栽培し収穫して、紡績会社が糸を製造し、

  出来上がった糸はプロジェクトに参加している企業に提供され、統一ブランドとして販売されるというもの)

◎休耕農地の活動による環境の保全

〇管理機等の活用による収穫量の増加・栽培面積の拡大

 収穫量を増やすためには、木が大きくなるまで、頻繁に除草・草取りを行う必要がある。管理機等を活用し適期に除草を効率的に実施することが出来れば、栽培面積

 を拡大することが出来る。(現在の栽培面積は約1,000㎡)休耕農地への綿の栽培を拡大すれば、環境の保全につながる。

◎学生への環境教育・キャリア教育

〇滋賀県立大学での市民活動論の講義・体験学習

〇聖泉大学生のインターンシップの受け入れ

 キャリア教育プログラムの学生インターンシップを受け入れ(2011年:2名、2012年:4名、2013年:4名)、主催イベントや出展イベントに一緒に参加して、

 環境教育・キャリア教育を行い、学生はその成果を発表する。

◆事業の拡大◆

◎商品・キット等の販売拡大

〇HPでの商品紹介、商品・キット紹介パンフレット印刷

 東京の人がHPを見て「綿くりイベント」に参加下さったり、兵庫県の学校がスピンドルを購入下さったりしている。HPで、ハンカチ・タオル・マスクやコースター

 等の作成キットを紹介しているが、さらに商品開発を進め、販売を拡大したい。

◎県内外との連携拡大

〇県内・他府県での綿栽培の拡大

 現在、滋賀県彦根市内・東近江市・長浜市・和歌山県・兵庫県・石川県他で綿の栽培が行われているが、HPなどで情報発信し、「綿の里親」(綿の個人栽培)を広げ

 て、連携していきたい。

〇企業との連携

 タビオ(靴下メーカー)に紹介頂き、大正紡績の機械で「綿くり」をさせてもらっている。さらに企業と連携し、商品開発や綿の加工などを進めていきたい。

◎福祉施設との連携強化

〇施設への委託の拡大(綿つみ・加工)

 現在、種芸(滋賀県彦根市本庄町)に綿つみを委託し、作業料を支払っているが、綿の栽培面積が増えれば、綿つみの回数や量も増え、委託を多く出来る。

 また、綿くりなどの加工も委託していきたい。そうすれば施設の収入も増え、作業員の手当ても増えることになる。

〇施設への支援

 現在、あかね寮(滋賀県東近江市)で地域ボランティアの支援を受け、綿の栽培をおこなっており、綿づくりなどを近くの保育園との交流に活用されている。

 施設と地域が綿づくりを通して一体となってきており、綿の加工などに進めていけるよう支援していきたい。

「おうみこっとん夢つむぎ」の 2012活動内容

月日 活動内容  所等 
4月  畑準備 彦根市本庄町 
4月27日 滋賀県立大学の市民活動論の講義で活動紹介・体験学習  滋賀県立大学 
4月~12月 福祉施設での綿栽培支援 あかね寮(滋賀県東近江市)等 
5月5日  種まきイベント開催(27人参加) 彦根市本庄町畑・公会堂 
5月~10月  草取り・草刈り(地域住民・ボランティア等参加) 彦根市本庄町畑 
8月~9月 支柱立て (地域住民・ボランティア参加) 彦根市本庄町畑 
9月15・16日  イナズマロックフェス2012 おいで~な滋賀体験フェアに出展(綿くり・糸車・スピンドル)体験者33人 草津市烏丸半島 
9月~12月 綿の摘み取り作業 (福祉施設・地域住民・ボランティア参加)  彦根市本庄町畑・柳川町畑
10月8日 綿つみイベント:1回目開催(57人参加) 彦根市本庄町畑・公会堂
10月12日 FMラジオ出演 FM草津
10月13日 秦荘公民館こどもトライアル体験学習(17人参加) 彦根市本庄町 みずほの郷
10月24日 大津保護観察所社会参加活動(対象者等8人) 彦根市本庄町 みずほの郷
10月31日 東近江市地域保健総合研修会で講演 東近江市福祉センター
11月11日 綿つみイベント2回目開催(64人参加) 彦根市本庄町畑・公会堂
11月23日 オープン一周年ガレージセールに出展 手づくり工房 種芸
1月13日 聖泉大学 キャリア教育プログラム体験発表 平和堂彦根店
1月19日 「綿花から糸つむぎ」体験学習(25人参加) 彦根市子供センター
1月23日 タビオ訪問(綿を持参し、綿くり機で綿くり) 奈良県
1月26日 綿くりとミニ降り体験開催(2人参加) 彦根市本庄町 みずほの郷
2月6日 大正紡績訪問(糸の相談) 大阪府阪南市
2月11日 未来ファンドおうみフォーラム出展・発表(パネル展示)等 ピアザ淡海
2月16日 「織物にちょうせん」(オリジナルコースター作り)(19人参加) 彦根子供センター
1月~3月 畑後始末(綿の木の抜き取り・処分・整地) 彦根市本庄町畑
3月2日 ひこねば2013出展(パネル展示・綿体験(綿くり・糸車・スピンドル・さをり織り)(33人参加) 彦根市男女共同参画センター
3月2日 第1回紫草を育てる会「簡易紫根染め」 八日市南高校
3月24日 夏原グラント第2次選考団体プレゼンテーション 大津市内
2月~3月 あかね寮の来年度作業の打ち合わせ あかね寮(東近江市)
2月~3月 次年度事業計画等打ち合わせ 彦根市本庄町
通年 HP・ブログによる情報発信 HP・ブログ
通年 綿商品・キット等の販売 彦根市本庄町

「おうみこっとん夢つむぎ」の活動の成果

・福祉施設に綿の摘み取りを委託し、仕事として行っていただき、地元の方やボランティアにも手伝っていただき補完できた。

・綿の種まき・摘み取りイベント、出展イベントにおいて、イベント参加者に環境教育・ものづくり教育を行った。

・主催イベントでは、地元女性の方々に地元食材を使った昼食提供のお手伝いをしていただき、地元と共同した地産地消にもつながるイベントとなってきている。

・聖泉大学の学生インターンシップを受け入れ、主催イベントや出展イベントに一緒に参加して、環境教育・キャリア教育を行い、大学と協働した事業となってきている。

・県内外で綿づくりの輪が広がっており、興味・関心をもっていただいている人が増えつつある。

・地元の小学校だけでなく、愛荘町の公民館の事業や本庄町の保育園等でも、体験学習を実施し、子ども達等に本当の綿の柔らかさを感じてもらって、ものづくり教育を通して環境教育を実施できた。

・商品やキットなどの販売が徐々に増えてきている。企業との連携が出来つつあり、さらに商品開発等につなげていく。

・福祉施設が管理している綿畑では、障がいをもつ人では難しい草取りなどの作業を地域住民の方々にお手伝いいただき、地域と一体となって綿づくりに取り組んでいる。また、地元の保育園と連携して取り組み、交流し合っている。

障がいのある人の仕事として、子ども達に「ものづくり」の楽しさを伝え、世代を超えた地域とのつながりを大切にした取り組みとして「人の輪」が広がっている。

おうみこっとん夢つむぎ

滋賀県彦根市本庄町2479  tel/fax:  0749-43-7201  mail:  sawa.toshie@gmail.com

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